愛犬のシャンプーは私たち人間と同じように毎日していいのか、トリミングサロンに連れていくときだけでいいのか頻度に悩みますよね。
やり方についても、正しいのかどうか不安に思っている飼い主さんも多くいらっしゃいます。
今回は愛犬のシャンプーの頻度や、やり方について詳しくまとめました。
この記事を読むことで正しいシャンプーの知識が身につき、飼い主さん自身で愛犬のシャンプーを行っていただけると思います。
注意点を5つのポイントに分け、愛犬がシャンプーを嫌がる場合の対処法についても書いていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
シャンプーの必要性と頻度
愛犬にシャンプーが必要かと言われて、「必要ない」と答える飼い主さんはいないでしょう。ただなぜ必要なのか、どのくらいの頻度でシャンプーすればいいのかわからない飼い主さんは多くいらっしゃいます。
まずはシャンプーの必要性と頻度について見ていきましょう。
◆ シャンプーは皮膚トラブル防止のために必要
シャンプーのしすぎやしなさすぎは皮膚トラブルに繋がる恐れがあります。そのため、適切な頻度で行う必要があります。
わんちゃんは私たち人間と同じ感覚で毎日のようにシャンプーをしていると、油分を保つための皮脂まで洗い流してしまうので、乾燥肌や痒みの原因になってしまいます。
またシャンプーの間隔を空けすぎてしまうと、余分な皮脂や汚れが原因で痒みや皮膚炎、臭いの原因となることもあります。
汚れた部分を拭いたりお湯で洗ったりする分には毎日でも構いませんが、シャンプーを使用して全身洗いをする適切な頻度を知っておくことが大切です。
◆ シャンプーの頻度は月1~2回程度
シャンプーは、月に1~2回程度行うといいでしょう。この間隔であれば適度に皮膚や被毛の健康を保てます。
シャンプーを行うと愛犬の身体を隅々まで観察できるので、月に1度トリミングサロンを利用している飼い主さんは、間に1度ご自身の手で愛犬を洗うことをおすすめします。
ただしシャンプーによるストレスを考えると、高齢の場合は2カ月に1度程度など、体調をみながらの調節が必要です。 また動物病院にかかっている場合は、シャンプーの頻度は獣医師に確認するようにしてくださいね。
◆ シャンプーのやり方・6STEP
飼い主さん自身のシャンプーのやり方は、以下の6つのSTEPで行います。
- 【STEP1.】シャンプーの前にブラッシングで毛をよく梳かす
- 【STEP2.】十分に身体を濡らす
- 【STEP3.】シャンプーを被毛につけ優しく洗う
- 【STEP4.】シャンプーを流してリンスをつける
- 【STEP5.】リンスが残らないよう丁寧に流す
- 【STEP6.】タオルとドライヤーでしっかり乾かす
それでは順番に見ていきましょう。
【STEP1.】シャンプーの前にブラッシングで毛をよく梳かす
シャンプーの前にブラッシングを行い、毛をよく梳かします。
ブラッシングだけでもある程度汚れを落とすことができ、毛の絡まりを取っておけばお湯で身体を濡らす時間が少なくなるので、ワンちゃんに余計なストレスを与えません。ブラッシングは愛犬の健康チェックやコミュニケーションの面でも、毎日行ってほしいケアです。
【STEP2.】 十分に身体を濡らす
ブラッシングが終わったら十分に身体を濡らしましょう。
あまり身体を濡らさないままシャンプーしてしまうと被毛が水をはじき返し、シャンプーの成分を皮膚に届けることができません。特にダブルコートの被毛をもつ犬種の場合、しっかりとシャワーをしたと思っても皮膚まで濡れていない場合も多くあります。
シャワーを怖がるワンちゃんも多いので、順番としては最初にお尻を濡らし、次に背中を濡らしてから顔を濡らすように意識してみてください。
顔が濡れるのを嫌がる場合は、洗うまで濡らさないのも一つの方法です。
全身を一気に濡らそうとシャワーを離れたところからかけるのではなく、少し時間をかけてでもシャワーヘッドを身体に当てるようにしながら徐々に動かすといいでしょう。
「大丈夫だよ」「気持ちがいいね」など、優しく声をかけながら行ってくださいね。
【STEP3.】シャンプーを被毛につけ優しく洗う
身体を濡らしたら泡立てたシャンプーをつけて、優しく洗っていきましょう。
このとき皮膚にシャンプーを直接付けてしまうと広がりにムラが出てしまう場合があるので、被毛につけるようにしてください。
シャンプーは胴体から尻尾、足先、顔の順番です。
マッサージするように指の腹で洗うと、落ち着いて気持ち良さそうな表情を見せてくれる子もいます。
細かい部分ではありますが肉球や脚の指の間、目や口の周りは汚れやすいので丁寧に洗っていきましょう。
【STEP4.】シャンプーを流してリンスをつける
シャンプーを流してリンスをつけます。
リンスをせずにシャンプーだけで乾かしてしまうと被毛同士が摩擦によって静電気を起こし、絡まりや毛玉ができやすくなってしまうため、リンスは省略せずに行ってください。
リンスは首から下にまんべんなくつけ、手で梳かすようにして被毛に浸透させましょう。
【STEP5.】リンスが残らないよう丁寧にすすぐ
被毛にリンスが残らないように丁寧にすすぎましょう。ヌルヌルした感触が無くなるくらいが目安です。
すすいだ後は足先や肉球、脇の下、内股、顔など流し残しが多い箇所を手で触って確認してくださいね。
【STEP6.】タオルとドライヤーでしっかり乾かす
すすぎが終わったらタオルとドライヤーでしっかりと乾かしましょう。
手早く乾かすコツは、最初に行うタオルドライでなるべくたくさん水分を取っておくことです。
タオルで4割乾かしたあと、ドライヤーで残りの6割を乾かして仕上げを行うイメージを持つといいですね。
タオルはゴシゴシ擦らずに使用し、ドライヤーはブラシやコームを使って乾きムラのないように最後までしっかりと乾かしてください。
◆ シャンプーの注意点5つ
シャンプーのやり方について見ていきましたが、以下5つの注意点があります。
- 【注意点1】洗い流しや乾かす順番を意識する
- 【注意点2】お湯やドライヤーの温度は高すぎないように気をつける
- 【注意点3】鼻や耳の中にシャンプーが入らないよう注意する
- 【注意点4】愛犬の体調のいい時に行う
- 【注意点5】ワクチンやノミダニ予防をする前後1週間はシャンプーを避ける
順番に見ていきましょう。
【注意点1】洗い流しや乾かす順番を意識する
シャンプーは洗い流しや乾かす順番を以下のように意識して行いましょう。
- シャワーで流す順番:お尻→背中→お腹→脚→首→顔
- シャンプーの順番:背中→胴体→お尻→脚先→首→顔
- ドライヤーの順番:顔→首→背中→お腹→お尻
効率よくシャンプーをすることで愛犬に与えるストレスを最小限に抑えることができるので、ぜひ試してみてください。
【注意点2】お湯やドライヤーの温度は高すぎないよう気をつける
お湯やシャワーの温度は37~38℃、ドライヤーの温度は弱でおこない、高すぎないように気をつけましょう。
ワンちゃんの皮膚の表面、表皮は人間よりも薄く刺激に強くありません。
必ず飼い主さんの手で熱すぎないか確かめ、ワンちゃんの様子を見ながらおこなうようにしてください。
【注意点3】目や鼻、耳の中にシャンプーが入らないよう注意する
目や鼻、耳の中にシャンプーやリンスが入らないように注意しましょう。
目にシャンプーが入ったことに気づかず、すぐに洗い流さずにいると、炎症を起こしてしまうことがあります。
鼻に水が入ると当然苦しくなってしまいますし、耳の中に水が入ると中耳炎など耳の疾患を引き起こす原因にもなります。
顎下に指をあて頭を少し上に向けるようにして支え、水が入らないように注意してください。
【注意点4】愛犬の体調のいい時に行う
シャンプーは愛犬の体調のいい時に行いましょう。
気持ちよさそうな顔を見せたりおとなしくしてくれたりするワンちゃんも多いですが、シャンプーは少なからず愛犬にストレスを与えてしまいます。
体調のよくないときに行う必要はないので、食欲や、排尿、排便、活発さなどが普段どおりであることを確認し、問題のない場合に行ってください。
【注意点5】ワクチン接種の前後1週間はシャンプーを避ける
ワクチンを接種する前後1週間は、シャンプーを避けるようにスケジュールを組みましょう。
ワクチンは無毒化または弱毒化したウイルスをワンちゃんに注射して、病気に対する免疫をつけるものです。
ワクチン前にシャンプーによってストレスを与えてしまうと、ワクチン後に体調を崩してしまう可能性もあります。
またワクチン接種後も激しい運動を避けて安静に過ごす必要があるのに加え、病院や注射によるストレスを改善するため1週間以上は空けましょう。
ほかにも背中に垂らすタイプのノミダニ予防薬を使っている場合は、2、3日程度期間を空ける必要があります。
薬剤が広がる前にシャンプーをしてしまうとノミダニ予防の効果が薄れてしまう可能性もあるためです。
ノミダニ予防薬に関しては処方された製品により変わってくるので、獣医師に確認しておくといいですね。
◆ シャンプーを嫌がる場合は無理をしない
シャンプーを嫌がる場合は無理をせず、なにに対して嫌がっているのか観察して理解しましょう。
ワンちゃんがシャンプーを嫌がる理由として、たとえば以下のものがあります。
- シャワーの音
- バスタブが滑って安定しない
- 水に濡れること
- ドライヤーの音
- 過去の怖い思いがトラウマになっている など
愛犬がなにを嫌がっているのかわかると、対応方法も変わってきます。
お互い気持ちよくシャンプーを行うために、焦らず時間をかけて嫌がる原因を取り除いてあげましょう。
◆ まとめ
今回はシャンプーの必要性や頻度、やり方や注意点についてまとめました。
シャンプーは皮膚トラブル防止のため月1~2回行うことで、愛犬の健康を管理できます。
トリミングサロンにお任せするのもいいですが、飼い主さん自身でシャンプーをすることでコミュニケーションも図れます。
注意点に気をつけて正しい手順でシャンプーをおこない、家族である愛犬と健康的な日常を過ごしてくださいね。